それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ

それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ：詳細解説

概要

1992年3月14日に公開された『それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ』は、『それいけ!アンパンマン』シリーズの第4作目にあたる劇場版作品です。従来の夏休み公開ではなく、春休み公開となった点が特徴的です。また、配給も松竹富士単独ではなく、松竹との共同配給となりました。さらに、本作からキャラクターデザインが山田みちしろ氏から前田実氏へと交代し、作画監督も兼任しています。前作で初登場したホラーマンは、本作では登場せず、同時上映作品である『それいけ!アンパンマン アンパンマンとゆかいな仲間たち』では歌のシーンにのみわずかに姿を見せています。

つみき島と折り紙島という、対照的な2つの島を舞台に物語は展開します。住民同士の争いは、民族対立を思わせるほどの深刻さですが、両島の王子と姫が恋仲であるという設定が、対立する者同士にも、互いを理解し協力できる可能性があるというメッセージを伝えています。


あらすじ

アンパンマンワールドの海上には、積み木でできた「つみき島」と、折り紙でできた「おりがみ島」が存在していました。しかし、両島は長年の確執を抱え、住民たちは互いに敵対していました。つみき島の王子、ブロック王子と、おりがみ島の姫、オリガ姫は、この争いを終わらせ、2つの島を仲良くさせたいと願っていました。

そんな中、「キュービクル王子」と名乗る謎の男が現れ、ブロック王子とガランガラ大臣をつみき島から追放してしまいます。川に流された2人は、アンパンマンとカレーパンマンに救助され、パン工場へとたどり着きます。そこで事情を聞いたアンパンマンは、2人を連れてつみき島へと向かいます。

一方、おりがみ島では、しょくぱんまん、学校の子供たち、どんぶりまんトリオが遠足に来ていました。オリガ姫と交流し、折り紙を教わるなど楽しい時間を過ごしますが、その最中、しょくぱんまんとオリガ姫を乗せた空飛ぶ折り鶴が、「キュービクル王子」が作った積木の竜巻に巻き込まれ、オリガ姫が行方不明になってしまいます。

アンパンマンたちは、オリガ姫を救出し、つみき島とおりがみ島の争いに終止符を打つため、再びつみき島へと向かうのでした。


主要キャラクター

本作には、おなじみのアンパンマン、ばいきんまん、ジャムおじさん、バタコさん、めいけんチーズ、ドキンちゃん、しょくぱんまん、カレーパンマン、どんぶりまんトリオに加え、個性豊かなゲストキャラクターが登場します。

ブロック王子: つみき島の王子。オリガ姫と恋仲で、島の争いを終わらせることを願っています。
オリガ姫: おりがみ島の姫。折り紙に命を与える力を持っています。ブロック王子と恋仲です。
ガランガラ大臣: ブロック王子の家来。悩みを抱えると頭が重くなり、逆立ちをしてしまいます。
キュービクル王子: ばいきんまんの変装姿。本作の黒幕であり、つみき島とおりがみ島を支配しようと企んでいます。
* おりがみまん: オリガ姫の家来。折り紙でできた体で、様々な形に変形できます。


同時上映作品：それいけ!アンパンマン アンパンマンとゆかいな仲間たち

『つみき城のひみつ』と同時上映された本作は、「あかちゃんまんの大冒険」「カレーパンマンとSLマン」「うたえ!夢のアンパンマン号」の3つのオムニバス作品から構成されています。それぞれ異なる物語が展開され、アンパンマンとその仲間たちの活躍が描かれています。


作品全体のまとめ

『それいけ!アンパンマン つみき城のひみつ』は、子供たちに分かりやすく、かつ深いメッセージを伝える、見応えのある作品です。異なる文化や立場の人々の間にある争いを、友情と協力によって乗り越えるアンパンマンたちの姿は、多くの観客に感動を与えたことでしょう。本作は、シリーズの中でも特に高い人気を誇る作品の一つであり、アンパンマンシリーズの魅力を余すことなく感じることができる作品です。

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